精子の質を落とす生活習慣の乱れと酸化ストレス
生活習慣が乱れると、体内で「活性酸素」が過剰な状態となります。この活性酸素が過剰な状態は、「酸化ストレス」と呼ばれ、身体の様々な細胞や組織を錆び付かせる原因となります。この「酸化ストレス」は、精子の質を落とす原因となりますので、日々の生活習慣を整えることが、不妊治療の基本となり、きちんとした栄養と十分な睡眠が欠かせません。また、精巣は温めると精子を作る力が落ちます。飲酒、喫煙は精子を作る力を落とすと報告されており、精液検査の結果が悪い場合は、「酸化ストレス」を測定することを推奨します。
疲労・ストレス
現代人とは切っても切り離せない疲労やストレスも男性不妊の原因とされています。疲労やストレスが、男性ホルモンのテストステロンの分泌量を低下させ、性欲の減退や精子数減少、精子の運動量低下などを引き起こします。
肥満
肥満の程度を示す数値であるBMI。そのBMIが高いほど正常な精子数や精子の量が少なかったという実験の結果があります。原因に、精巣の周囲の過剰な脂肪による加熱や、肥満によるホルモン値の変化などがあげられています。とはいえ、逆に過度のダイエットも男性不妊の原因にもなります。食べることもダイエットも、適度を心がけることが大切です。
偏った食生活
活性酸素を消去する働きのある抗酸化ビタミンを緑黄色野菜や果物から積極的にとるようにしましょう。抗酸化作用の強いものとしては、ビタミンCやビタミンE、コエンザイムQ10、アスタキサンチンなどが知られています。
また、最近ではビタミンDが注目されています。特に、現代人に最も不足していると言われており、男女とも、ビタミンDの不足と不妊との間に関連があると言われています。
喫煙
喫煙者は非喫煙者に比べて精子量が10~17%減少、精子の運動量減少などという結果も出ています。
飲酒
過度なアルコール摂取により、アルコールを分解する際にできるアセトアルデヒドという毒性の高い物質が精巣内で増えてしまい、精子を作る力を減退させてしまいます。
睡眠不足・運動不足
睡眠不足や運動不足は、酸化ストレスの原因となります。運動に関しては、過度な運動も良くありませんが、現代人は、座っている時間が昔に比べて多いと言われています。長時間座っている姿勢でいると、骨盤の血流が悪くなったり、精巣内の温度を上げてしまうことになり、それ自体が精子の質を落としてしまうことに繋がります。